痛みの治療

痛みの治療とは

痛みには外傷による痛み、関節や筋肉の故障による痛み、各種の疾患による炎症・化膿などによる痛みなど様々なものがあります。当院ではこれらの痛みの原因をしっかりとつきとめて、それぞれに合わせた適切な治療方針を立てています。
痛みのコントロールには、病態に合わせて漢方の使用も含む薬物療法、神経ブロック注射、痛みのある部分に直接注射を行うトリガーポイント注射、関節注射などの注射療法などの他に理学療法も加えて総合的に治療を行います。
どうしても解消されない痛みなど、痛みにお悩みの方は当院にご相談ください。

痛みの悪循環

痛みは体に損傷や病変などの障害が生じているサインとして重要な働きをしています。その為、医療機関の受診理由としても一番多いものになっています。医師は痛んでいる場所、どのような痛みか、いつ頃から痛んでいるかなどの問診による情報から、どのような疾患や損傷が起こっているのかの推測をつけることができます。
このような重要な情報を伝えてくれる痛みは、急性痛といって通常は一過性のものなので、治療をすることで徐々に治まります。ところが、急性痛の原因となっていた疾患や障害が治っても、本来治まるはずの痛みが消えずに残り慢性化していくことがあります。慢性化した痛みを慢性疼痛と言います。
痛みが起こると、交感神経の働きが強くなり、心拍数の増加、体温の上昇などが生じ、筋肉は緊張した状態になります。慢性的な痛みとなってしまうと、この状態がずっと続くことになり、その結果として絶えず新しい痛みを引き起こす物質が体内で生産され続け、悪循環となります。
この悪循環によって慢性疼痛は、痛みそのものが治療を要する疾患になっているということができます。

痛みに対する主な治療法

痛みに対する治療には様々なものがあります。痛みの種類や原因、患者さんの状態などを総合的に判断して、最適な治療法を選択する必要があります。

薬物療法

痛みをコントロールする為に一般的に行う治療は薬物療法です。内服や注射などで薬を体内に取り込ませるのが薬物療法で、炎症による痛みなどには消炎鎮痛薬、ステロイド薬などの内服、また人体の持つ自然治癒力を高め体の状態を整える漢方薬なども使用することがあります。
また、症状によって神経障害疼痛緩和薬、非麻薬性オビオイド(鎮痛薬)などを処方することもあります。
また、内服薬などで効果が見られないときや、患部に対してピンポイントな効果を期待している際は、注射による投与を検討します。以下は当院で治療を行っている、主な注射による療法です。

トリガーポイント注射

トリガーポイントとは、痛みの発生するポイントのことです。
トリガーポイント注射とは、痛みの原因となっている場所に、局所麻酔薬などを直接注射する治療法です。これによって、痛みを引き起こしている原因が解消され、関連痛も治まっていきます。また、極細の針を使用した注射なので、痛みも殆どありません。
当院では経験豊富な医師が、トリガーポイントをしっかりと見極めて適切な治療を施しています。肩こり、腰痛などでお悩みの方は一度ご相談ください。

関節注射

関節注射は、痛んでいる関節に直接注射で薬液を注入する療法です。以前はよくステロイド薬や局所麻酔薬が使用されていたのですが、近年ではヒアルロン酸ナトリウムの注入も増えてきています。ヒアルロン酸ナトリウムは関節液や皮膚の真皮などに豊富に含まれている物質を化学的に合成したものですから、副作用などの可能性もほとんどないのが特徴です。その為、変形性膝関節症や肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)などの患者さんの患部に使用することによって、潤滑剤のように働き、炎症や痛みの改善、軟骨の保護作用が期待できます。
一方でステロイド薬は強力な抗炎症作用を持っている為、痛みや炎症が強く、内服薬では回復しない場合などに用います。ただしステロイド薬は関節軟骨や腱への悪影響といった副作用もありますので、使用は患者さんの状態に合わせ慎重に検討した上で行います。
当院では、患者さんの症状や生活形態などにあわせ、適切な薬液を選択して関節注射を行っていますので、治りにくい関節の痛みを抱えている方は一度ご相談ください。

神経ブロック注射

神経ブロックは、炎症を起こしている神経に直接、またはその周辺に注射や高周波熱凝固などの手法で、一定期間麻痺させることで痛みを抑えていくことを目的とした療法です。
当院では、このうち神経ブロック注射による治療を行っています。薬剤としては、症状に合わせて局所麻酔薬やステロイド薬を使用します。炎症を起こしている神経にダイレクトに薬液が働きますので、消炎鎮痛薬の内服や静脈注射などよりも高い効果を期待することができます。
神経に直接注射するというと、注射の痛みが心配かもしれませんが、極細の針を使用していますので、少しチクっとする程度です。

理学療法

筋力トレーニングや歩行訓練などの運動療法や、電気的、温熱的な刺激による物理療法などによって身体の障害の緩和や機能の回復を図る治療法を理学療法といいます。
痛みがあるからといって、安静にしているだけでは筋肉が硬直してしまい、痛みが解消された後も動かしづらくなったり、筋力の低下によって体のバランスを崩してしまったりすることにもなりかねません。
痛みのある時から、無理のない範囲で理学療法を実施することで、治療後の迅速な現場復帰が可能になります。
当院では、経験豊富な医師と、理学療法士が連携して患者さんそれぞれの状態に合わせた治療プログラムを組んで対応していきます。

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